熱田神宮の境内には本宮をはじめ別宮1社、摂社8社、末社19社が祀られています。
境外にも摂社4社、末社12社を数え、すべてあわせて45の社をお祀りしています。
摂社・末社とは本殿の御祭神とゆかりの深い神々をお祀りするお社です。
(べつぐう はっけんぐう)
元明天皇の和銅元(708)年、宝剣を新たに鋳造し創祀されました。一の鳥居(南門)の西側に鎮座し、本宮と同じ御祭神をお祀りします。社殿も本宮と同じ造りで年中祭儀も同様に執り行われます。
八剣宮は武門の信仰が篤く、織田信長、徳川綱吉等により社殿の修造造営が行われてきました。なお、別宮とは名が示すように本宮の別れとして祀られ、篤い崇敬を受けます。
(せっしゃ みたじんじゃ)
大年神(おおとしのかみ)をお祀りしています。「年」の字には、穀物、特に穂が稔るという意味があり、五穀豊穰の守護神として崇敬されています。境内奥深く本殿右手の深閑とした杜に鎮まります。毎年6月18日は御田植祭(おたうえさい)が執り行われます。
(せっしゃ かみちかまじんじゃ)
八剣宮の南西に鎮座し、「尾張国造 乎止與命」をお祀りし、熱田の地主神とされます。「知恵の文殊様」として崇(あが)められ合格祈願に詣でる方が多い神社です。
この社の境内に、大国主社(おおくにぬししゃ・大黒様)、事代主社(ことしろぬししゃ・恵比須様)をお祀りし、毎年1月5日は「初えびす」として盛大な賑わいを見せます。
(まっしゃ すがわらしゃ)
天神様の名で信仰される菅原道真公をお祀りしています。西門鳥居をくぐった左手に鎮座し「外天神(そとてんじん)」とも呼ばれます。
(せっしゃ たかくらむすびみこじんじゃ)
尾張氏の祖神・高倉下命(たかくらじのみこと)をお祀りし、創祀は熱田神宮とほぼ同年とされる悠遠な古社です。延喜式に名神大社として記載されます。鎮座地は熱田区高蔵町。
子育ての神として信仰が篤く、4月3日に幼児成育祈願祭、6月1日には、例祭が執り行われます。
また、御井社の井戸を拝むと「虫封じ」になるという特殊信仰もあり、高座の「井戸のぞき」として有名です。
(せっしゃ ひかみあねごじんじゃ)
熱田神宮の相殿神で日本武尊(やまとたけるのみこと)のお妃である宮簀媛命(みやすひめのみこと)をお祀りしています。
仲哀天皇の時代に創祀され、持統天皇4(690)年、現在地に遷座されました。故地は宮簀媛命の父君の館があった地とされます。例祭は10月第1日曜日に執り行われます。